スウェーデン国会及び欧州議会の議員からなる訪問団一行は14日、台湾での訪問日程を終え、帰国前の記者会見を開いた。一行はこの記者会見で、スウェーデン国会外交委員会が早ければ来週にも、スウェーデン駐台北代表処(=台湾におけるスウェーデン大使館に相当)を「スウェーデンの家(中国語は瑞典之家、英語はHouse of Sweden)」に改称する案を国会に提出することを明らかにした。
提案発案者の一人、スウェーデン国会のカースティン・ラングレン(Kerstin Lundgren)副議長によると、同提案はすでに、スウェーデン国会外交委員会の多数の与野党議員の賛同を得て可決されており、早ければ来週か、あるいは再来週にも国会に提出される。最終的な決定権はスウェーデン政府に委ねられるが、スウェーデン国会はこの行動を通して台湾支持の立場を表明したい考えだという。ラングレン副議長は「スウェーデンは主権国家として、『一つの中国原則』について解釈する権利を持つ。我々の観点からすれば、『スウェーデンの家』への名称変更は『一つの中国原則』に反するものではない」との見解を示した。
なお、米ワシントンD.C.には「House of Sweden」と称する建築物があり、スウェーデン大使館、アイスランド共和国大使館、リヒテンシュタイン公国大使館などが入居している。「House of Sweden」は、スウェーデンが世界に誇る象徴的な外交建築の一つとなっている。
このほか、Lars Adaktusson議員は、スウェーデン駐台北代表処の改称は、スウェーデンが台湾に設置する組織が単なる経済・貿易のためのオフィスではないことを示し、「台湾とスウェーデンの二国間関係は台湾とスウェーデンの間の問題であり、他国の干渉を許さない」ことを伝えるものだと説明した。スウェーデン民主党所属の議員としてこの提案の発案に関わったMarkus Wiechel議員は、(改称を通して)スウェーデンが台湾のことを主権独立国家であり、中国の一つの省ではないと見なしていることをピールしたいと意気込んだ。
ラングレン副議長はまた、「スウェーデンの国旗はウクライナと同じ青と黄色で構成されている。だから台湾が熱心にウクライナを支援しているのを見てとても感動した。中国はスウェーデンの国会議員が台湾を訪問することに反発し、台湾を訪問するなと警告する書簡を送ってきた。それで自分はかえって、感染症の状況がどれほど深刻であろうとも、必ず台湾に行くと心に決めた。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は人々に一つの教訓を教えた。それは権威主義の侵略に対して、素早く反応すべきだということだ」と述べた。
これについてはAnn-Sofie Alm議員も、自分も中国から警告の書簡を受け取ったが、その結果、ますます台湾に行きたくなったと述べ、台湾に伝えたいことは「多くの国の国会が、台湾とともにあるということだ」と語った。
Markus Wiechel議員も、「台湾を訪れるのは初めてだが、忘れがたい旅になった」とし、帰国後はスウェーデン国会と欧州連合理事会において、台湾とスウェーデンの関係強化を促進するために全力を尽くすことを約束した。